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2015.04.30

バブル時代の会社説明会復活の兆し。会社説明会に見る採用の時代的変化

3月に2016年卒の採用活動がスタートし、現在は、各企業が会社説明会の開催に力を入れています。
この会社説明会一つとってみても時代の変化を感じます。
バブル期は、学生同士が「会社説明会に参加して1万円もらった」といった話を当たり前のようにしていました。

しかし、バブル崩壊後は経済環境の悪化により、売り手市場から買い手市場へと一変。
派手な会社説明会は姿を消しました。

2016年卒新卒採用は、採用スケジュール変更による短期決戦に加え、景気の回復基調により新卒採用数を増やす企業の増加といった要因により「学生の早期囲い込み」の動きが活発化してきています。

そのため、バブルの香り漂う会社説明会を行う企業も増えてきています。

今回は、日本経済の状況の変化と新卒採用に対する考え方を振り返りながら、会社説明会のあり方を考えてみたいと思います。

学生を集めるために、あの手この手を駆使したバブル時代。

私がリクルートで営業活動をしていた頃は、まさにバブルの絶頂期で「超売り手市場」でした。
企業は学生を集めるのに苦労しており、会社説明会は学生を集めるための企業の一大イベントでした。

その当時、私が企業にお勧めしていた商品の一つに「会社説明会に著名人を呼んで講演してもらう」というものがありました。
有名なスポーツ選手や著名な作家、経済評論家などの力を借りて、学生の参加者増員を図るわけです。

もちろん会社説明会が第一部で、講演は第二部というプログラムです。
逆にしたら、多くの学生が講演だけ聞いて帰ってしまいますので。

学生が興味を持ちそうな著名人であれば、企業の事業内容とあまり関係ない人でもアテンドしていました。
というより事業と関係ない人の方が多かった気がします。
講演テーマは、こじつけでも事業に沿ったものを考えはしますが、まさに後付という感じでした。
その他、会社説明会に参加した学生に手土産を持たせるといった企業もありました。
もちろん会社説明会参加の交通費は全額支給の企業も数多く。
あの手この手で学生を集めるために躍起になっていたのがバブル時代の会社説明会だったのです。

なぜ、企業は会社説明会への動員に力を入れるのか。

企業が会社説明会に注力する理由は何でしょうか。バブル期は大量採用するための入り口である母集団をとにかく形成しよう、といった意味合いが強かったのですが、今でも会社説明会は母集団形成の大きな手法ではあるものの、入社後のミスマッチを恐れ、会社説明会の段階できちんと自社のことを伝えなければならないといった企業の『想い』が感じられます。

採用担当者はプレエントリー数がいくら多くても会社説明会の参加者数が少なければ、自社のことをきちんと理解してくれる学生が減ってしまった、それは大変まずい状況である、と考えます。

「会社のことをしっかり理解した上で選考ステップへ進んで欲しい」という思いが強くあり、その思いを最初に伝える場が会社説明会なのです。

バブル崩壊後、新卒採用を控える企業も多く出ました。
企業の新卒採用が抑制されたことにより、就職氷河期となり、学生もたくさんの企業から自分の就職先を決めることが出来ない為、妥協せざるを得なくなり、もちろん、すべての学生がそうだという訳ではありませんが、学生の気質の変化(やりたいことが出来ないのであれば、辞める)もあり、ミスマッチが多く起こるようになりました。

また、経済状況、採用環境の変化により、会社説明会にお金をかけなく、かけられなく、なった中で企業は社内のリソースを使った会社説明会のプログラムを考え、企業理解の促進に力を入れるようにしてきました。

ただ最近は、企業が学生にあまりにも寄り添い過ぎるような印象も受けます。
確かに説明会時の質疑応答は企業理解の為に大切な時間ではありますが、学生から何も質問が出ないと「何か質問はありませんか?」「せっかくの機会ですから何でも質問してください」「終了後も担当者が後ろにいますので、声をかけてください」とやさしく連呼する姿には正直ちょっと違和感を覚えます。

バブル期の会社説明会の復活の兆し。時代は繰り返すのか?

ここに来て、バブル時代に行われていたような会社説明会を行う企業も出てきました。
シャンパンで乾杯する企業や、豪華な食事を出す企業などもありますし、ある企業では豪華客船を会社説明会会場として使用することで、学生の関心を引こうという訳です。

その背景には採用スケジュール変更による選考期間短縮、景気の回復基調による新卒採用企業の増加などがあり、他社に先駆けて学生を囲い込みたいといった企業の思惑があります。

表面的な動きだけを見るとバブル的な採用手法に戻ってきている感もあり、今後、先述させていただいたような著名人や芸能人を会社説明会に呼ぶような企業も出てくるのではないかと思いますし、バブル採用再び、といった感じも受けます。

ただ、バブル期に大量採用した世代が大企業を中心にいろいろな意味で問題になっているのも事実ですし、2020年問題などもあります。

多くの企業がバブル期採用の反省をしていますし、バブル期と違って量より質の採用が増えていますので同じような失敗を繰り返すことはないと思います。

バブル時代の会社説明会の手法を取り入れることは悪いことではないと思いますが、それによって本質を見誤ることの無いようにして欲しいと思います。

私も会社説明会の今昔を振り返りながら、これからの会社説明会のあり方を考え、企業、学生双方にとって意味がある会社説明会、最初の入り口が必ずしも会社説明会ではない新しい採用手法とは何か?も考え、今後も皆さんの様々なご要望にお応え出来ればと思っております。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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オルタナティブ・ブログ掲載中 採用今昔物語「バブル時代の会社説明会復活の兆し。会社説明会に見る採用の時代的変化」

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