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2018.07.17

新卒の地方採用は戦略的に進めるべき
~名古屋エリア採用に見る、地方採用~

ここ数年、新卒採用は「売り手市場」となっています。
その理由の一つに学生数の減少があります。
今後は少子化の影響で益々学生が減っていきますので、中小企業にとって採用難が一層深刻な問題になっていきます。
そうした背景から東京本社の企業を中心に地方に採用の活路を見出そうとするケースが増えてきています。
しかし、東京で採用出来ないから地方といった、安易な考え方で採用出来るほど甘くはありません。
特に東京本社の企業が採用に苦労するのが、名古屋エリアです。
今回は名古屋エリアの新卒採用を通して、地方採用を考えてみたいと思います。

東京から近いから名古屋という発想は安易

新卒採用が売り手市場の昨今「なかなかいい学生が採用できない」と悩んでいる企業も多く、いろいろな相談を受けます。
そうした中で、東京以外にも新卒採用の手を拡げようと考える中小企業のTOPも増えています。
しかし、大企業のように地方の支店を持っているならまだしも、東京本社だけの中小企業が地方採用を進めるのは、簡単なことではありません。
特に東京から近いという理由だけで名古屋エリアの採用を考える企業もまれにありますが、それはちょっと考え方が安易過ぎると言う他ありません。

と言いますのは東京本社の企業が地方採用で一番苦労するのが名古屋エリアだからです。
名古屋には世界的に有名な企業も多く、東京等に出る必要性をあまり感じていない学生が多いのです。
仕事で愛知県の刈谷市に行ったときに目にしたのですが、刈谷市にも世界的に有名な企業の本社があり、刈谷駅の周辺にはそこの社員が会合等で使うレストランが集まった立派なビルをはじめ、スポーツ施設等、様々な施設が整っていました。
この環境であれば、わざわざ遠くに行かなくても、実家も近い地元で就職しようといった気持ちになるのも当然のことだと思いました。

地元志向が強い東海地区

リクルートキャリア社「就職みらい研究所」が文部科学省の「平成27年度学校基本調査」を元に作成している資料によると大学のキャンパス所在地別に学生を

①地域出身・地域内就職者
②地域出身・地域外就職者
③地域外出身者・地域内就職者
④地域外出身者・地域外就職者

の4つに分けた時、東海地区(≒名古屋エリアとする)は①の割合が72.5%にも達しています。これは首都圏の67.9%を上回り、全国一高い数字となっています。
なんと7割以上の学生が地元で進学し、地元に就職しているのです。
反対に②に関しては17.8%ですので、地元出身でも2割弱の学生は地域外に就職してはいますが、この数字は東北の31.4%や九州の25.9%よりも低い数字で、地元企業以外の企業が東海地区の学生を簡単に採用できる環境ではないことが数字面からもわかると思います。

大学キャンパス所在地別の出身地・就職先分布
(出所: 就職みらい研究所『大学生の地域間移動に関するレポート2017』P5)

地方採用には戦略が必要不可欠

誤解のないように申し上げますが「東海地区等、地元志向が強い地域からは簡単に採用できないから、東京本社しかない中小企業は地方採用を諦めましょう」と言っている訳ではありません。
特に東京本社しかない中小企業が地方採用をするからには覚悟と戦略を持って臨む必要があるということです。
名古屋に支店も無い中、名古屋エリアでの採用はなかなかうまく進まないのが実情です。
だからと言って、採用のためだけに拠点を出しても当然のことながら、経費ばかりがかかって意味がありません。

名古屋エリアの学生を採用したいのであれば、経営戦略的にも『名古屋』を視野に入れる必要があります。
地元志向が強いエリアは言葉のイントネーションにも敏感です。
京都弁と関西弁の違いではありませんが、名古屋でも言葉の微妙なイントネーションが大事だと言われています。
愛知と愛知に隣接している三重とでも言葉のイントネーションが微妙に違っていることは東京生まれの私にもよくわかります。
ので、名古屋での会社説明会で話をする採用担当者はやはり名古屋出身者が適任だと思います。
実際、名古屋での会社説明会のスピーカーを他県出身者から名古屋出身者にしたら、次の選考への参加率が10%アップしたという企業もあります。

また採用後、名古屋支店配属ではなく、東京本社に配属したいと考えている場合には生活環境の変化に対する不安への配慮等、細やかなフォローも大切です。
家賃一つとってみても大きな差がありますし、東京の通勤ラッシュは「とにかくもの凄い」と考えている学生も多いと思いますので、社宅や家賃補助といった制度をはじめ、東京で生活する上でのアドバイスなどを実際に先に東京に出てきて頑張っている先輩社員の生活等をパンフレットにして、会社説明会時に事前配布するといったことも有効です。

また仮に名古屋支店配属になったとしても東京本社配属の学生と同じように権限を持って仕事が出来、結果を出せば、東京と変わらず、ステップアップ、昇進していける環境であることをしっかりと伝え、理解させることも大変重要です。
最初は地元での就職を希望していた学生も東京配属になり、仕事・生活を東京でやってみるとそのダイナミックさに喜びを得て、結果、地元に戻りたくないという学生も私自身多々見てきましたので、若い頃に東京での仕事・生活を体験しておくことは大切といったアピールも有効だと思います。

今回は多くの東京本社の中小企業が苦労している名古屋エリアの地方採用を例に述べましたが、名古屋エリアに限らず、地方採用は安易な考えで始めるのではなく、自社の戦略をしっかりと立てた上で取り組んで欲しいと思っています。
私もなんとか地方採用を成功させたい企業への積極的なお手伝いを実施していきたいと考えています。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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