人材を採用する際は、能力や人柄など、多方面から検討していくと思います。
中でも、売上に直接結びつく営業マンの採用に頭を悩ませている人事担当者がとても多いように思います。
今回は、自社にピッタリと合った営業マンを採用し、売上を伸ばし、業績をアップさせていくために、採用する際にどんな点に気を付けていけばいいかをご紹介したいと思います。
自社のトップセールスマンをモデルにする
当たり前のことですが、売上を伸ばすためには売れる営業マンを増やすことです。
そんな簡単に売れる営業マンを増やすことが出来れば苦労はしないと言われそうですが、事前準備をしっかりすれば、選考時に使える手法があります。
事前準備として自社のトップセールスマンのコンピテンシーモデル(=高業績者の行動特性)をサーベイなどで数値化し、レーダーチャート化しておき、選考時、応募者にも同じサーベイを受検させ、その結果、トップセールスマンと同じようなレーダーチャートの波形の人を採用すれば、理論的には自社で活躍出来る可能性が高い営業マンが採用出来ることになります。
ただ、これはあくまでも行動特性を中心とした数値的な話だけですので、数値的に導き出された行動特性が本当かどうかも含め、やはり面接で、その人の考え方や人柄をしっかりとチェックする必要があります。
以下、面接でチェックしたい重要なポイントについて述べたいと思います。
コミュニケーション能力を確認する
まずは何と言っても「コミュニケーション能力の高さ」です。
これは営業に限ったことではありませんし、大概の企業で求める人物像の中に「コミュニケーション能力が高いこと」を掲げています。
一言に「コミュニケーション能力が高いこと」といっても、その幅はとても広いものがありますし、各企業によってその定義が少しづつ異なっているケースが多いように思います。
営業で求められる「コミュニケーション能力」とは『失敗を恐れず、勇気を持ってはっきりと相手にわかりやすく伝える力』だと思います。
この『失敗を恐れない勇気』を持っているかどうかは営業にとって大事な素養の一つだと思います。
人材業界の営業を例に挙げれば、「貴社の採用は○○○であるべきです」「私からご提案させていただいた■■■を是非、導入してください」等々といった言葉を相手に不快感を与えず、きちんと口にできるかです。
「こういうことを言うと相手が気分を害してしまうのではないか?」と勝手に思い込み、なかなかきちんとモノが言えない営業マンが最近、多いように思います。
優秀な人事担当者の方とお話をしていても「自社に採用したい」と思わせるぐらいの営業マンじゃないとなかなか仕事を任せる気にならないとの声を多くお聞きします。
これはあくまでも一例ですので、自社の営業マンに求める「コミュニケーション能力」とは何かを一度社内で意見を出し合って、『言語化』してみるといいと思います。
きっと自社に合った営業マンの姿が見えてくるはずです。
課題発見能力を確認する
もう一つ営業に求められる能力があります。それは「聴く力」です。
ただ単に話を聞くのではなく、しっかりと耳を傾けて相手の要望をしっかりと聴き、その中から課題を発見し、解決策を提案する力が営業には求められます。
人材業界の営業の例ばかりで恐縮ですが、「理系がなかなか採れなくて困っている」と言われ、即座に「理系学生のエントリー数を増やしましょう」といった提案ではお客様の求める課題解決にはなっていないと思います。
即座に「エントリーを増やしましょう」ではなく、まずは社内の理系社員の活用状況、会社説明会の内容、等々、相手の話を掘り下げてしっかりと聴くことで真の課題がたくさん見えてくると思います。
それを踏まえて、エントリーを増やすことが課題解決になると思った段階で初めて「エントリーを増やしましょう」というべきなのです。
営業はただただひたすら商品を勧めることではないと思います。
まずはお客様の状況を徹底的に聴いた上でお客様の真の課題を見つけ、その課題を解決する為に有効な商品が提案出来れば、その商品はおのずと売れると思います。
そうした課題発見能力をチェックするためには、応募者に今まで自分が営業してきた商品を実際にその場で営業してもらったり、他己紹介(応募者同士で相手のことを聞き出し合い、最後に聞き出した情報を元に相手の自己紹介をする)などを取り入れてみるのも効果的だと思います。
以上、何かのご参考になれば幸いです。