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2015.11.26

採用今昔物語 採用スケジュールのガイドラインは誰のために存在するのか

17採用では面接解禁時期がまた6月に変更されました。
それまで4月解禁だった面接を今年から8月に後ろ倒しにしたことで、戸惑う企業も多かったと思います。
手探り状態で進めた16卒の新卒採用活動でしたが、スケジュール変更が失敗であったことを経団連自らが認めた形になりました。
多くの企業で内定式も終わり16採用の振り返りが行われる中で、学生、大学、企業から不満が続出している今年の新卒採用スケジュール。
いったい何が問題だったのか。
そもそも新卒採用スケジュールは何のために存在しているのか。
その辺りについてお話をしたいと思います。

就職協定はいつ、何のために定められたのか。

1885年に三菱(当時の日本郵船)と三井銀行が新規学卒者の採用を行ったのが、新卒一括採用の始まりと言われています。
ただ、当時は必要に応じて、随時採用するというスタイルで、縁故採用も多かったようです。

その後、第一次大戦景気による売り手市場や1927年の昭和金融恐慌・世界恐慌による就職難などで、新卒採用の状況もいろいろと変化していきましたが、
大卒者の一括採用は続いていきました。

第二次世界大戦後は、戦後復興と1950年に起きた朝鮮戦争によって日本は特需に沸きかえります。
そうした中で、人手を必要とした企業は多くの新卒者を採用しようとし、他企業よりも先に採用者を確保しようとする企業が
採用活動を早期化していったのです。

1952年「採用の早期化によって学生が学業に専念する環境が阻害される」という大学側からの主張を受け、文部省が
教育・財界人を集めて協議した結果「採用試験は10月からにする」という「就職協定」が企業と大学の間に結ばれたのです。

要するに「就職協定」には「学生の学業に支障をきたさない」「各企業が横並びで採用活動をすることで採用機会を平等にする」という目的がありました。

その後も何か問題があれば協議され、その都度、選考開始時期が変更されるなどの処置がとられてきました。

1986年には8月20日会社訪問開始、11月1日に内定解禁となりましたが、10年後の1996年には就職協定は廃止されています。
「青田買い」をする企業は減らず、協定で定めたスケジュールが守られないことが、廃止となった大きな理由です。

協定は破られるためにある?

私が就職活動をしたのも8月20日会社訪問解禁、11月1日に内定解禁の頃でした。
今のようにインターネットなどはなく、大学の掲示板に張り出された求人票を見て、志望企業の情報をメモっていました。
高い場所に張られたものは肉眼では見えず、双眼鏡を使わないと確認できませんでした。
現代から考えるとウソのような話ですが。

また大学によっては会社訪問解禁日に応援団が就活生にエールを送る出陣式が行われ、その様子がテレビニュースで中継されました。
しかし、応援団から「就職活動頑張れ!」とエールを受けている学生の多くは、この時、既に内定を持っていたのです。
この頃からいかに就職協定が絵に描いた餅であったかということです。

就職協定廃止後も経団連は倫理憲章を設けていましましたが、守らなかったからといって罰則がある訳でもなく、正直ほとんど成果はありませんでした。
その後も新卒採用指針(ガイドライン)を示し、昨年までは大学3年の12月1日に会社訪問解禁、4月1日選考解禁、10月1日内定解禁としていましたが、
早い学生は4年生になった春には既に内定を獲得しているのが当たり前といった状況でした。

新卒採用指針の存在自体を今一度考え直す必要がある。

今年、採用スケジュールを大きく変更したのは、就職協定の時と同じように「学生の学業に支障をきたさない」ということと
「海外留学生も国内の学生と同じように就職活動できるようにする」ということが大きな目的でした。

しかし、蓋を開けてみれば、早期にマッチングセミナーといった名称で選考を行い、内々定を出す企業が多く、8月1日以前に
内々定を持っていた学生がかなりいました。
(8月1日時点で内定を持っていた学生は64.4%(リクルートキャリア調査))

ある企業の人事担当者は「8月1日の朝に選考辞退の電話が相次いだ」と言っていますが、それだけ早く動く企業が多かった証です。

また内定を出していた学生に8月頃辞退された中小企業は採用数未達の状況で、本来、10月1日に実施する予定だった内定式を延期して
採用活動を続けることになるなど、中小企業にとって、結果、かえって採用活動が長期化することになりました。

また、早い時期に内定を獲得出来なかった学生も就職活動を継続することになり、卒業論文の準備が出来ないなど、
かえって学業に支障が出ることになりました。
また、海外留学生にもスケジュールが変更になったメリットはあまりなかったようです。

今年のスケジュール変更は、学生、大学、企業の誰一人得をしていないのが現実です。
時代劇ドラマの大岡裁きであれば「三方一両損」で丸く収まり名裁きとされていますが、
学生、大学、企業の三者一同損の採用スケジュールに何の意味があるのでしょうか?

前述させていただいたように経団連は来年から選考解禁を2ヶ月早め、6月にすると表明し、学校側も賛否両論あり、
議論が深まっていない中、結局、受け入れを表明しました。

しかし、グローバル化が進んでいる現代では、外資系企業などをはじめ経団連に属さない企業も多くあります。
こうした企業は新卒採用指針を守る必要がありません。

こうした状況の中で、採用スケジュールをルール化する意味は何なのかを、新卒採用指針の廃止も含めて今一度見直す必要があるのではないでしょうか。

今年の状況を踏まえて17卒に向けてすべきこと

今年、初めて新たなスケジュールのもとで就職活動をした先輩たちの様子を見ていた17卒の学生は、早めから動くと予想されています。
特に優秀で情報感度の高い学生が早くから動くのは確実と言われています。
また、その動きを感じ取っている企業側も早めの対策を進めています。

その一つがインターンシップです。
マイナビ社のインターンシップ情報掲載企業数は前年比144.0%、学生の総エントリー数は前年比132.8%と大幅の伸びを見せています。

来年は早めに学生との接触機会を作り、早めに内々定を出していく戦略を取らないと優秀な学生を獲得することが難しくなります。
中小企業の社長の中には「どうせ大企業に持っていかれるのだから、早目に内々定を出しても無駄」という方もいらっしゃいますが、そうではありません。

確かに内定辞退を100%防ぐことは出来ませんが、一人でも多く辞退しないようにする対策はたくさんあります。

私も17就活生の生の声を踏まえ、来年の状況をしっかりと予測し、その企業にとってより良い採用をしていくためのノウハウを
お伝え出来ればと思います。

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